女将のお針箱

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「切らんばだめらろかのぉ」ひとり呟くジッチャ「ンだろも傷の痕 残らんばえぇが」囲炉裏に手をかざし頷くバッチャ玄関脇の三畳間でそれとなく祖父母の会話を聞いてしまった近いうち医者に連れていかれ鼻を切り取られる…幼かった父の恐怖の体験であるまだ粉ミルクなどなかった時代母乳の出ないひとは乳の出る人から「もらい乳」をして自分の子供に飲ませていた  「乳兄弟」という言葉がある血縁者でなくとも同じひとから...
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御礼 開店12周年

「たとえ三流の玄人でも、 一流の素人に勝る。 なぜだかわかるか。 こうして恥をしのぶからだ。 己が満足できねぇもんでも、 歯ぁ喰いしばって世間の目に晒す。   やっちまったもんを つべこべ悔いる暇があったら、 次の仕事にとっとと掛かりやがれ」   葛飾北斎の娘  女絵師・葛飾応為の生涯を描いた 朝井まかての小説『眩』(くらら)   この物語の一節にある  ...
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