女将のお針箱

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あの時の串焼き

昭和の話は続く むか~し むかし そのとき私は たぶん5歳か6歳くらいだったと思う うん おおむかしだ 祖母にくっついて市場に買い物に行くと いつも祖母は50円玉をひとつくれた 50円玉には穴が開いていて 今も空いているけど ちょうど今の500円玉くらいの大きさだった その50円玉を握りしめて 幼い私が何を買ったかというと うなぎの切れ端の串焼き   いま思うと焼き鳥...
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もはや戦後では ...

演奏が始まるとすぐ 寺内タケシはギターを弾く手を止めた 「この曲は普通このキーだよね。」 後ろを振り向くと バンドのミスを指摘した メンバーの表情が凍り付いた 再び演奏が始まった   こんな思い出のある横浜有隣堂だけれど 昭和三十年代半ば 母に連れられて伊勢佐木町に買い物に行くと この有隣堂の建物の脇にはいつも 傷痍軍人を二三人見かけた みな腕か足か四肢のいずれかを失...
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屋号を描く

そば屋を開店して十年 藍色だった暖簾も風雪に耐えて十年 色は褪せ シミだらけ すっかり汚れてしまった   あと何年営業できるかわからない 暖簾を新しくするのは もったいないかな   いや でも 汚いよ   そこで安価な既製品の暖簾を購入 自分で「百日紅」描いてみた 小さなロゴ的なイラストも添えて   ステンシルシートは自作 クリアファイルで十分 ...
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時をつくる

「時をつくっているんですよ。」 カフェの主人である木工作家が語り始めた 流木で作品をつくるのではなく 作品そのものを海に沈め流木化する   懇意にしている能登の漁師の協力を得て そんな試みをしているという   潮に揉まれ晒されて白骨化した木片 その美しさに魅せられた作家   「作品の質感から 時間というものを表現出来たら」   作品を沈めて何週間かの後 ...
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夏のひとり遊び

梅雨時は 湿度が高くて 憂鬱それでも ほれ こんなに小さいのが懸命に生きている梅雨が明ければ 猛暑それでも ほれ暑さに強い植物は 元気に咲いている暑いのなんのとグダグダ言っているのは人間だけ?扇風機は連日のフル稼働この扇風機のスイッチだけれど我が家の扇風機は安物だからON も OFF も本体についているポッチを押さなければならない立ったままつま先で押せば簡単だでもつま先で押したらその刹那「私はダメにな...
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